「退職代行を使いたいけれど、料金はいくらかかる?」
「2万円くらいのサービスと5万円以上するサービスは何が違う?」
「表示されている料金以外に追加料金を請求されることはない?」
退職代行を検討するとき、料金は気になるポイントの一つです。
しかし、退職代行サービスは単純に「一番安いところ」を選べばよいとは限りません。
サービスによって、運営主体、対応範囲、料金体系、追加費用の有無などが異なるためです。
特に、
「退職意思を会社へ伝えてもらえればよい」
というケースと、
「有給休暇について会社と話し合ってほしい」
「未払い残業代を請求したい」
「会社から損害賠償を請求されている」
というケースでは、必要となる対応が異なります。
この記事では、退職代行の料金を見るときに知っておきたいポイントや、追加料金が発生する可能性のある項目、申し込み前に確認したい注意点について解説します。
退職代行の料金はいくらくらい?
退職代行の料金はサービスによって異なります。
また、民間企業によるサービス、労働組合が運営・関係するサービス、弁護士・弁護士法人によるサービスでは、料金体系だけでなく対応できる内容にも違いがあります。
そのため、
「退職代行の相場は一律○円」
と考えるより、
「その料金でどこまで対応してもらえるのか」
を確認することが重要です。
実際にサービスを比較するときは、表示されている基本料金だけではなく、追加料金やオプション、成功報酬などを含めた最終的な支払総額を確認しましょう。
民間の退職代行サービスの料金
民間企業が提供する退職代行サービスには、比較的低価格なものがあります。
基本的なサービス内容として、本人に代わって退職の意思や本人の希望を会社へ伝えることなどが考えられます。
ただし、ここで重要なのが**「伝達」と「交渉」は同じではない**という点です。
たとえば、
「本人は○月○日で退職することを希望しています」
という本人の意思を伝えることと、
会社がそれを拒否した場合に条件について会社と交渉することでは、法的な意味が異なる可能性があります。
東京弁護士会も、退職代行サービスの内容によっては弁護士法上の問題が生じる場合があるとして注意を呼びかけています。民間業者・労働組合・弁護士の対応範囲の違いについては「退職代行は違法?民間業者・労働組合・弁護士の違いと注意点を解説」で詳しく解説しています。
そのため、料金が安いかどうかだけではなく、そのサービスが実際にどこまで対応するのかを確認することが重要です。
労働組合が運営・関係する退職代行サービスの料金
退職代行サービスの中には、労働組合が運営しているものや、労働組合との関係を掲げているものがあります。
労働組合には団体交渉権がありますが、「労働組合」と表示されているサービスをすべて同じものとして考えるのは適切ではありません。
誰と契約するのか、誰に料金を支払うのか、実際に誰が会社と対応するのかなどを確認する必要があります。
また、
- 基本料金とは別に組合加入費が必要か
- 組合費が料金に含まれているか
- 追加料金が発生する条件はあるか
なども確認しましょう。
広告に表示された金額だけではなく、最終的に支払う総額を見ることが重要です。
弁護士による退職代行の料金
弁護士や弁護士法人が退職に関する対応を行うサービスもあります。
弁護士へ依頼する場合には、単に退職意思を伝えるだけでなく、依頼内容に応じて法律上の交渉や請求などを扱えることが大きな違いです。
たとえば、
- 未払い残業代
- 未払い給与
- 退職金をめぐる問題
- 損害賠償請求
- ハラスメントに関する法律問題
などがある場合には、単なる退職意思の伝達だけでは解決しないことがあります。
一方、弁護士へ依頼する場合は、依頼内容によって料金体系が複雑になることがあります。
基本料金だけでなく、
- 相談料
- 着手金
- 事務手数料
- 成功報酬
- 実費
などが発生するかどうかを確認しましょう。
特に金銭請求を依頼する場合には、回収した金額の一定割合を成功報酬として支払う料金体系が採用されている場合があります。
「○○円~」という料金表示には注意
退職代行サービスを探していると、
「○○円~」
という表示を見ることがあります。
この「~」には注意が必要です。
最低料金が安く見えても、自分が希望するサービスを利用すると料金が上がる可能性があるからです。
たとえば、
- 正社員とアルバイトで料金が異なる
- 追加対応が有料
- 後払いに手数料がかかる
- 労働組合への加入費等が別途必要
- 弁護士による交渉が別料金
- 金銭請求に成功報酬が設定されている
など、料金体系はサービスによって異なります。
申し込み前には、
「私の場合、最終的な支払総額はいくらですか?」
と確認しておくとよいでしょう。
退職代行で確認したい追加料金
ここからは、料金を比較するときに確認したい代表的な項目を見ていきます。
追加対応の料金
基本料金に含まれる対応範囲を確認します。
「追加対応○回まで無料」などの条件がある場合には、それを超えた場合の料金も確認しておきましょう。
労働組合に関する費用
労働組合が関係するサービスでは、基本料金とは別に組合費等が設定されている場合があります。
「退職代行料金」だけで判断せず、必要となる費用の総額を確認しましょう。
後払いの手数料
退職代行サービスの中には、後払いに対応しているものがあります。
ただし、後払いを選択すると手数料が加算される場合があります。
「後払い対応」と「後払い手数料無料」は同じ意味ではありません。
キャンセル料
申し込み後に利用をやめた場合の返金・キャンセル条件も重要です。
会社への連絡前なら返金されるのか、決済後は返金されないのかなど、サービスによって条件が異なる可能性があります。
利用規約や返金条件を確認してから支払いましょう。
弁護士費用・成功報酬
弁護士へ金銭請求などを依頼する場合には、基本料金とは別に成功報酬が設定されている場合があります。
たとえば未払い賃金等を回収した場合、その回収額を基準として成功報酬が計算される料金体系などです。
具体的な計算方法は法律事務所ごとに異なるため、契約前に確認することが重要です。
「追加料金なし」なら必ず安いとは限らない
「追加料金なし」「一律料金」という表示は、料金を把握しやすいというメリットがあります。
しかし、
追加料金がない=自分にとって最適なサービス
とは限りません。
重要なのは、その料金に自分が必要としている対応が含まれているかです。
たとえば、会社との間に法律的な争いがあるにもかかわらず、退職意思の伝達を中心とするサービスを選んだ場合、後から別の専門家への依頼が必要になる可能性があります。
結果として、最初から適切な専門家へ相談した場合より総費用が増えることも考えられます。
料金が安すぎる退職代行は危険?
料金が安いという理由だけで、そのサービスが危険だと判断することはできません。
反対に、料金が高ければ必ず安心ともいえません。
確認すべきなのは金額そのものより、
- 誰が運営しているのか
- 契約相手は誰なのか
- 料金に何が含まれているのか
- 追加料金はあるのか
- どこまで対応できるのか
- 返金条件はどうなっているのか
といった点です。
「最安値」という言葉だけで決めるのではなく、料金とサービス内容をセットで比較しましょう。料金以外にも確認しておきたい注意点については「退職代行で失敗するケースとは?後悔しないための注意点と対策を解説」で詳しく紹介しています。
退職代行の料金を比較するときの7つのチェックポイント
退職代行を申し込む前に、少なくとも次の点を確認しておきましょう。
1.表示価格は税込みか
表示料金に消費税が含まれているか確認します。
2.追加料金はあるか
基本料金以外に必要となる費用がないか確認します。
3.料金に含まれるサービスは何か
単に「退職代行」と書かれていても、サービス内容は同一ではありません。
4.運営主体は誰か
民間企業、労働組合、弁護士・弁護士法人など、誰が実際にサービスを提供するのか確認します。
5.支払い方法は何か
銀行振込、クレジットカード、後払いなど、利用できる決済方法を確認します。
6.キャンセル・返金条件はどうなっているか
「退職できなければ返金」などの表示がある場合には、返金の条件まで確認しましょう。
7.法律問題が発生した場合に対応できるか
未払い賃金や損害賠償などの法律問題がある場合には、料金だけでなく、その問題に対応できる相手なのかを確認する必要があります。
料金だけで選ばない方がよいケース
次のようなケースでは、単純な料金比較だけで退職代行を選ばない方がよいでしょう。
- 未払い残業代や給与を請求したい
- 退職金をめぐって会社と争いがある
- 会社から損害賠償を請求されている
- ハラスメントについて損害賠償等を検討している
- 有給休暇について会社との争いが生じている
- 退職日などについて会社との調整・交渉が必要になっている
こうした場合には、**「一番安いサービスはどこか」より「自分の問題に対応できるのは誰か」**という視点が重要になります。
退職代行を申し込む前に料金を確認する方法
料金ページを見るだけで分からない場合には、申し込み前の相談で具体的に確認しましょう。
たとえば、
「正社員ですが、支払総額はいくらですか?」
「この料金以外に追加料金は発生しますか?」
「後払いを利用した場合はいくらになりますか?」
「会社と話し合いが必要になった場合も同じ料金ですか?」
「キャンセルした場合は返金されますか?」
などです。
できれば口頭だけではなく、公式サイト、利用規約、メールやチャットなど、後から確認できる形で料金条件を確認しておくと安心です。
よくある質問
Q.退職代行はいくらくらい用意すればいいですか?
料金はサービスの運営主体や対応内容によって異なります。
低価格な民間サービスから、法律問題への対応を含む弁護士サービスまで幅があるため、「退職代行なら一律○円」と考えない方がよいでしょう。
利用するサービスの公式料金と、自分の場合の総額を申し込み直前に確認してください。
Q.退職代行は追加料金を請求されますか?
サービスによって異なります。
追加料金なしとしているサービスもあれば、後払い手数料、組合関係費用、追加対応費用、弁護士の成功報酬などが設定されている場合もあります。
契約前に料金表と利用規約を確認しましょう。
Q.一番安い退職代行を選んでも大丈夫ですか?
安いこと自体が問題というわけではありません。
ただし、自分が必要としている対応が料金に含まれているかを確認する必要があります。
料金だけではなく、運営主体と対応範囲も比較しましょう。
Q.弁護士の退職代行は高いですか?
弁護士によるサービスでも料金体系には幅があります。
また、退職意思の通知だけを依頼する場合と、未払い賃金等の請求や法律上の交渉まで依頼する場合では、費用が異なることがあります。
基本料金だけでなく、着手金・成功報酬・実費などを含めた総額を確認しましょう。
Q.追加料金なしと書いてあれば本当に追加料金はありませんか?
広告上の「追加料金なし」が何を対象としているのかを確認する必要があります。
特定のオプション、後払い、外部の専門家への依頼などが別料金となる可能性もあるため、利用規約や料金説明を確認してください。
まとめ|退職代行は「料金」ではなく「総額と対応範囲」で比較しよう
退職代行の料金を比較するときに重要なのは、表示価格の安さだけではありません。
確認したいのは、
- 基本料金
- 追加料金
- 後払い手数料
- 組合関係費用
- キャンセル・返金条件
- 成功報酬
- 運営主体
- 対応範囲
などです。
特に会社との間に法律的なトラブルがある場合には、料金だけを基準にサービスを選ぶと、必要な対応を受けられない可能性があります。
「いくらかかるか」と「その料金で何をしてもらえるか」をセットで確認すること。
これが、退職代行の料金比較で最も重要なポイントです。
なお、各サービスの料金やプランは変更される可能性があります。実際に申し込む際には、必ず各サービスの公式サイトで最新の料金・利用条件を確認してください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別具体的な法律相談・法的判断を行うものではありません。具体的な紛争や法律問題については、弁護士その他の適切な相談窓口へご相談ください。

